３）幼少期の虚言癖

今は逆に嘘なんかつけない、かえって面倒な体質になっているのですが、幼少期、私は虚言癖を持っていました。

私がついた中で、私自身の記憶に嫌にハッキリと残っている嘘が2つあります。

一つは、幼稚園の時のもの。

幼稚園の時、みなさんも「おどうぐばこ」のようなものを支給されたと思います。そうです。あの蓋つきで、指に塗って使うタイプの糊が入っていたやつです。その中に、まあまあ小さい、緑色のハサミ(まだ持って使っています。)が入っていました。私はそのハサミが、(おそらく)人生で初めて本格的に持ったハサミだったので、(おそらく)何か切りたくなったのです。でも、不用意に紙を切るわけにもいきません。そもそも、手ごろな紙なんてありませんでしたから。で、私は何を思ったのか、廊下にだれもいないのを確認して、廊下で自分の髪の毛を切り落としたのです。たくさんの髪の毛が廊下に落ちていきました。私は満足したので、教室に帰りました。

まあ、そのうち先生がその散乱した髪の毛を発見しました。ぽろぽろ、2、3本程度ではなく、あきらかにおかしな量が落ちていたので、先生も少し怒っていました。私は、行動に全く責任が持てないくせに、人に怒られるのは嫌だったのです。(怒った父があまりにも怖すぎて、他の人に怒られるのも拒絶していました。)私が髪の毛を切り落としたのは先生のいないときで、無論、同級生たちもすべての生徒の行動を把握しているわけでもありません。そのうえ、私に友達はあまりいませんでしたから、私の犯行自体みんなの脳裡に出ることはなかったのだろうと思います。私は、別にそれを意識していたわけではありませんが、先生が、「誰がやったの？」と少し低いトーンで言うのに、みんなに同調して「知らない」と答えました。

あれをやったのは私です。あの時の担任のＹ先生、申し訳ありませんでした。

もう一つが、これまた幼稚園の時のもの。

私の友達で、Ｔ君という子がいました。中学校まで同級生だったうえ高校まで親交のあった親友なのですが、最近はまったく会えていません。Ｔ君にはお兄さんがいました。会ったことはありませんでしたが、Ｔ君はよくその話をしていました。私は、別にうらやんだりねたんだりしたわけではないと思うのですが、「私にも兄がいる」という嘘をつきました。で、会いたいなどと言われては面倒なので、「事故で死んだ」ということにしました。具体的に、車に轢かれて、と。こうすれば、あっちも遠慮して突っ込んできませんから。「兄がいた」という事実に対して、予想通りあちらから突っ込んでくることはなく、「へぇ～」程度で終わりました。ですが、この嘘が面倒ごとを起こしたのが、なんとその10年後でした。高校何年生かは忘れましたが、高校の時、Ｔ君の家に遊びに行った時のことです。ややあってＴ君の兄の話題になりました。そんな時、Ｔ君が私にこう言いました。

「あ、確か、南越(仮名)にも兄貴いたよね。」

幼稚園時代の記憶がフラッシュバックしてきました。変な汗が出ました。私はとっさに、「え、おらんけど」と返しました。

「あれ、そうだっけ。」

ちょっと変な空気が流れましたが、あっちがハッキリと憶えているわけではなかったので、ひとまず助かりました。でも、あんな、子供のときの戯言を、Ｔ君は憶えていたのです。嘘なんかつくもんじゃねぇな、と痛感しました。

前者はともかく、後者の嘘について、私は特段何も考えず、理由もなくついたのでしょう。なぜなら、そのことに、まったく後ろめたさも、また快感も感じなかったです。

純粋ゆえに残酷であるなんて、よく言いますが、これもまた、純粋ゆえの犯行であったと考えられるのでしょうか。

この記事自体、嘘や誇張かもわかりませんね。

２）カラオケ

私はカラオケに行くのが好きです。友人とでも、一人でも、楽しめます。

点数は、まあそこそこいいところ。最近安定して90点に載るようになりました。しかし、どうも納得がいきませんでした。

というのは、90点載ったのが嬉しかったので、思い切って録音して後で聞いてみたところ、思ったより上手く聞こえないのです。私は「上を向いて歩こう」で91点をとれたのですが、録音音声はそんなに上手には感じられませんでした。地声に近い声で、あまり……その、聞いていて心地よくはない。

で、思い出したんですが、誰かが言ってたことで、カラオケって、ある程度雑に歌っても80点以上は出るようになっていると。あともひとつ、自分の歌声って、歌ってるときは上手く聞こえても、実際の音声は、録音したそれが示すように、ちょっと違う、と。それと、音程があってればそれなりの点数が出るということも、友人が言っていたのをふと思い出しました。

あー、そういうことか、と妙に納得して、久保田早紀の「異邦人」を裏声で無理やり歌ったときの録音音声を聞きました。

こっちは上手かったです。女子みたいな声でした。

なんか納得いきません。

１）日々の衝動について

よく、「話している友人を突然殴ったらどうなるのだろうか」というギモンが話されることがあります。

私はそのギモンに対する答えは持ち合わせていません。だが一方、類似の衝動に駆られることがあります。直近のことをお話します。

つい今日、私がマクドナルドに自転車でむかい、その帰りのことです。荷物かごから溢れた家族分の食事を、少しは手でもちつつ、その手もハンドルにそえて危ない運転をしていました。それゆえ、スピードが出せませんでした。

T字路に差し掛かって、右方面を見ると、地元の中学生が自転車に乗って走ってくるのが見えました。とろとろ走っていると迷惑になるだろうということで、私は彼が前を通り過ぎるのを待ち、限界を迎えつつあった右手から、左手に荷物を持ちかえました。

彼はすぐに通り過ぎていきました。私も後からすぐいけばいいのですが、どうも気が進みません。時間は既に5時半すぎ、だいぶ日も短くなったので、あたりは薄暗い。それに、私は風貌が、あまりよくない。肥満というわけではないですが、メガネに中肉、メガネを外すと、皆さんが知っているであろう凶悪、宮崎勤の顔ソックリでしたので、少し顔に対して、自己の不信感があったのです。メガネをすれば、さほどでもないのですけども。もしかしたら、周辺住民に通報される可能性が…と考えました。そう考えるのは、まあ、考えすぎと言えば考えすぎなのです。周辺の人々が私に興味を持つことなど、私が頓珍漢なことをするような人間でない限りはあり得ませんから。彼は左手に過ぎていきました。私と目が合うということも、ありませんでした。

私は彼が、乗用車2台分程度離れたのを確認して、その後から左へ曲がりました。しかし、私は、しまった、と思いました。というのは、むしろ、その行動が不自然ではないかと思ったのです。いったん停止して彼を待ち、その後を付ける……これは凶漢のしそうなことに感じられました。まるで、ストーカーのようなしぐさにしか思えなかったのです。私は、どうしよう、他の道を行こうか、それとも、少し遅く走ろうか、追い抜くのは危険だ、とおどおど考えながら後をついていくようになっていました。暗色の乗用車が向こうから走ってきて、途中の十字路で右に曲がったので、そうだ、それについていこう、と考えました。ですが、実は私はその道がどこに繋がっているのか知りませんでした。大方適当に走っていれば大通りに出られることはわかっていましたが、街灯も点いていなかったので、むしろそっちの方面に何かいそうな恐怖感をおぼえて、結局、彼の後をまったく同じように走っていきました。

実はここまでは前置きです。ここからが本題です。

私は、ふと、こんなことを考えました。

今から、私は自転車を全速力でこぐ。荷物もかなぐり捨てて。そして、彼の横っ腹に思いっきり突っ込む。彼は転ぶ。自転車が転んだ時のダメージは、意外にも大きいものです。私も当然ひどい痛みを感じることでしょう。しかし、それは彼ほどではない。彼は不意打ちで、受け身もまともにとれないまま、草むらの中に放り出される。その痛みはなんとなく知っている。私がかつて、車輪をとられて転んだ場所でもあったから。彼の中学校はそのジャージでわかった。私がかつて通っていた中学校。あの当時の校則が変わっていなければ、彼はきっとスマホや電話は持っていない。だから、私は、私自身のひ弱な体の全力をもって、彼に攻撃する。彼の首を絞め上げる。彼は苦しむ。全力で抵抗する。私は殴られる。ひどく痛む。彼はヘルメットをしているから、頭を振り回せば私の頭に大ダメージを与えられる。私はそれを知っているから、頭を彼の胸に押し当てて、彼の首を絞めることだけに集中する。あるていど絞めたら、今度は彼の顔面を殴打する。腹も同じく。弱らせるのだ。

人通りはない。住宅街だが、すぐそばの茂みに入ってしまえば、街灯が時間によってついたとしても、基本的に光が届くことはない。近くの住宅は空き家が１，２軒か、人が住んでいてもなぜか電気はついていない。彼はぐったりする。声もあげられないほど衰弱する。それは、つまり瀕死状態ということだ。私は、マクドナルドでもらった紙の手拭きを彼の口に詰める。鼻はふさがない。死んでもらっては困る。ともかく、声があまり響かないようにする必要がある。ぐったりした彼の体を茂みに、ぽい、と捨て、私は彼の服をはがす。すべて。そう、まったくの裸にする。体をよじらせ彼は抵抗するだろう。そのたびに殴打し、むりやり言うことを聞かせる。彼は絶対私の言うことはきかない。だろうから、私は殴りながら少しずつ彼の服を脱がせていく。全て脱がせた後、私も下半身を露出する。そして、彼の髪の毛を掴みながら、彼の肛門へ私のナニを挿入する。彼はひどく痛みを訴えるし、抵抗する。私は彼の背骨を思い切り殴る。私は、彼を犯す。彼は苦悶する。そのうち、私は果てる。彼は泣く。痛みが激しいからだ。よく、BL物の同人で、完全ノンケを掘るものがあるが、完全ノンケが、最初の1発で肛門性向に性興奮と絶頂を感じるわけがないのです。ただ、ひたすらに痛いだけ、それが、少年とあればなおさら。

彼は痙攣するだろう。あまりの痛さに、何も言うことはできないだろう。そこで、私はとどめを刺す。茂みの奥に彼を連れて行く。私はズボンをはきなおせば、幸い、長そでを着ているので、草で体に傷をつけることはありえない。彼はひきずられ傷だらけだろう。あとは、彼の首を思いっきり、全体重60キロの力をかけて粉砕すれば終了だ。彼は血と泡を吹いて、そのうち動かなくなる。彼に服を着せ、用水路に彼を捨て、あと、彼の自転車は近くのどぶ川に捨てる。荷物もしかり。私は、ダメになったハンバーガーを、運転しながら食べつつ、家に帰る。自転車の傷と私の擦り傷は、私はよく転ぶから、誤魔化せる。

私が想像したコレ、彼に対し実際に、唐突に行ったら、どうなってしまうのだろう。私は背徳感で非常に興奮しました。私はホモセクシュアルというわけでも、ショタコンというわけでも、まして殺人衝動者というわけでもないのですが、背徳感が私の背中を、つっ、とさすった時、流石に、勃起しかけました。

ですが、行うことはありませんでした。そもそも、これは犯罪行為、背徳感に興奮したから、と許されることではないです。それに、ことがうまくいくはずがない。もっと言えば、失敗する可能性が非常に高い。私は筋力のない人間ですから、彼に抵抗されれば私が敗北する可能性だってあるのです。私はそんな、衝動に負けたために、自分の、今ある一定の地位と名誉、そして生活、あるいは自由を失いたくありませんでした。あと、ハンバーガーがもったいなかった。自転車はどうとでもなりますが、ハンバーガーはもったいない。私は、普段でさえ、運ぶのに失敗して潰れたハンバーガーを見ることで、それを提供してくださった店側にひどく謝りたくなるし、泣きたくなるのです。それゆえ、わざとそのような状態に至らせるとなると、店に土下座しに行きたくなってしまうことでしょう。

彼は右折していきました。私は左折しました。左折したすぐのところで、小学生が自転車で、一生懸命坂を上ろうとしていました。私は今度は、小学生を追い抜いて、すぐのところの小橋をわたって、私が勝手に「幽霊屋敷」と呼んでいる廃屋の右隣りを、しゃーっッと自転車で走って、帰りました。

私は日常生活の中で、時折、このような衝動に駆られることがあります。時には成人の女性に、時には少年少女に。あるいは同僚の男にすら。ですが、私はマトモな感性を持っていますから、幸いにも、実行に移すような非常識なことは致しません。